さつまいもコラム

「さつまいもでんぷんを取り出してみよう!」

甘藷研究所

さつまいもの中には、植物が光合成によってつくる栄養(炭水化物)である「でんぷん」がたくさん貯蔵されています。でんぷんは、貯蔵や加熱をすると酵素によって分解され、さつまいもの甘さのもとである「糖」になります。

次の方法でさつまいもからでんぷんを取り出して、自由研究に活用してみましょう!

■用意するもの:
 ・さつまいも(お好みの量)
 ・水
 ・おろし金 または フードプロセッサー
 ・し布(ガーゼや不織布で代用可)
 ・ボウルなど深さのある容器

■所用時間:2日間~
準備ができたら実際にでんぷんをとっていきましょう!

■手順
さつまいもをよく洗います(皮は剥かなくてもOK)。

おろし金やフードプロセッサーで、さつまいもをすりおろします。

水を溜めたボウルを用意します。②をガーゼなどの濾し布で包み、水の中で繊維を取り除いていきます。
でんぷんが出てくるよう、ボウルに溜めた水の中でやさしく揉んでください。

濾した直後の液体は水とでんぷん、さらに水溶性の成分も混ざった状態になっています。

液体を5時間以上動かさないよう冷暗所に置いておき、その後上澄みを捨てます。③の状態からしばらく放置すると、でんぷんがボウルの底に沈殿するため、液体の白っぽさが抜けます。でんぷんがなるべく流れ出さないようにそっと上澄みだけを流します。

再度水を入れてかき混ぜ、上澄みが透明になるまで放置したら、上澄みを捨てます。
水の入れ替えと沈殿を繰り返すことで、でんぷん以外の成分をきれいに取り除くことができます。下の写真は3回目の水を入れ、放置したあと上澄みを捨てた様子です。

底に残ったでんぷんを乾燥させます。
最初はどろどろとしていますが、水を抜いた状態で丸1日ほど放置すると水分が蒸発し、ボウルの底で固まります。これを砕くと写真のような粉になります。

これでさつまいものでんぷんを取り出すことができました!

目安として、市販されているさつまいもからは理論上、生いも重量の20%程度をでんぷんとして取り出すことができます。必要に応じて材料の量を調整してみてください。

この実験をすることで、色々な疑問が出てくると思います。
たとえば、
・なぜさつまいもはでんぷんを貯蔵するのかな?
・どうしてこの方法で、でんぷんだけを取り出せるのだろう?
・品種によってとれるでんぷんの量には差があるかな?
・じゃがいもなどのイモ類や、だいこん、にんじんなどの野菜を使うとどうなるのだろう?
・さつまいもでんぷんの使い道は?
・顕微鏡で観察するとどのように見えるかな? などなど……

疑問は調べて学習し、さらなる実験をすることで、オリジナルの自由研究にすることができます。
ぜひこの夏に挑戦してみてください!

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