さつまいもコラム

韓国で流行中の「コグマダイエット」を考えてみる

市野 真理子(管理栄養士)

新しい年を迎え、今年も皆さまへ「さつまいもと健康」について、お役に立てる情報をお届けしたいと思います。どうぞよろしくお願い致します。

さて、クリスマス、年末年始と美味しいご馳走やお酒が続き、そろそろ胃が疲れてきた…、体重が増えてきた…というお悩みを抱える人が増えてくる頃ですね。今回は韓国で流行中の「コグマダイエット」について考えてみたいと思います。

「コグマダイエット」とは?

「コグマ」と聞いて「子熊」「小熊」を連想した人がいるのではないでしょうか。

「コグマ」は韓国語で「さつまいも」のこと。つまり「コグマダイエット」は「さつまいもダイエット」となります。韓国では「さつまいも」といえば、ダイエットや食事制限の際にもよく食べられる食材の一つで、韓国アイドルがさつまいもダイエットをしてブームとなっているようです。

では実際に「コグマダイエット」で痩せられるのか…栄養学的に考えてみたいと思います。

「コグマダイエット」を栄養学的にみると

コグマダイエットの方法としては、
①主食をさつまいも150gに置き換える
②さつまいもの調理方法は蒸す・焼く 
③さつまいもは皮ごと食べる 
というのがルールのようです。

ご飯はお茶碗軽く1杯が150gぐらいなので、蒸しさつまいも150gと比較してみます。カロリーは、ご飯234kcalに対して、蒸しさつまいもは194kcalと、50kcalほど蒸しさつまいもの方が低カロリーです。

ご飯も蒸しさつまいもも糖質が中心で、エネルギー源となります。
糖質がエネルギーに変わるためには、マグネシウム、カリウム、亜鉛、鉄、マンガン、ビタミンB1をはじめとしたビタミンB群が必要です。これらが不足していると、糖質がエネルギーに変わらず、結果的に体内で脂肪に変わってしまいます。
ご飯と蒸しさつまいもを比較すると、これらのミネラルビタミンは蒸しさつまいもに多く含まれています。そのため、ご飯に比べて、蒸しさつまいもに含まれる糖質はエネルギーに変わりやすいといえます。

また、玄米ご飯がダイエットに向くといわれているのも、これらのミネラルやビタミンB群が白米に比べて多く含まれているからなのですが、この蒸しさつまいもにも、玄米ご飯とそう変わらないミネラルやビタミンB群が含まれています。

さらに食物繊維。こちらは、ご飯は2.3gに対して蒸しさつまいもには5.7g含まれています。食物繊維が多く含まれるということは、消化に時間がかかるため血糖値が上がりにくいという効果があり、また腹持ちが良いので空腹を感じにくくなり、間食のコントロールにもつながります。嬉しいことに腸内環境も整い、便秘の解消にもつながります。

カリウムもご飯では44mgに対して、蒸しさつまいもには585mg含まれているため、身体がむくみにくいというメリットも。

これらの事から、主食を蒸したさつまいもに置き換えることで、ダイエットに繋がるといわれていると思われます。

食事はバランスよく

ただし、身体によい食材だからといって、偏った食事はおすすめいたしません。主食を蒸したさつまいもに置き換えた場合でも、汁もの、肉や魚といった主菜になるおかず、野菜や海藻といった副菜のおかずも一緒に組み合わせて召し上がってください。

※栄養成分の数値は、「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」より引用・計算しております。

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